建物を触った時に白い粉がついていたら、それは劣化現象のひとつ「チョーキング現象」によるものです。チョーキング現象が起こると外観が悪くなるだけではなく、建物の耐久性にも影響があります。
建物を長持ちさせるには適切なメンテナンスが必要です。大事な住まいを守るために、チョーキング現象が起こる原因や対策方法をチェックしておきましょう。
1.チョーキング現象とは何か?またその原因
チョーキング現象は「白亜化現象」とも呼ばれ、外壁を指で触った時に白い粉がつくことをいいます。白い粉の正体は、雨や紫外線によって塗料の中の合成樹脂が分解され、顔料が粉状になって塗装表面に現れたものです。
外壁塗装は建物の美観に関わるだけではなく、紫外線や雨風から建物を保護する役割も果たします。また、使用する塗料によっては防水や防カビなどの機能でもって家を守ることが可能です。外壁は一度塗装すればずっと持続するわけではなく、年月とともにダメージを受けてさまざまな劣化現象が起こるため、塗装面の塗り替えが必要になります。
また、チョーキング現象は自然な劣化現象ではなく、施工不良が原因で起こることもあります。
チョーキング現象が起こりやすい施工不良の代表例は、
塗料が十分に混ざっていなかった
高圧洗浄での作業や塗装作業の際に手順を誤った
環境に合っていない塗料で塗装工事を行った
などです。
使用した外壁塗料の耐用年数よりも大幅に塗装膜の劣化が早い場合は、施工不良の可能性を疑ってください。
1-1.外壁のチョーキング現象は放置すると危険
チョーキング現象は塗膜劣化が起きている状態のため、環境から家を守る役割が弱まっていることになります。耐久性や防水性など本来の性能が低下していることから、雨水が侵入してコケやカビが発生したり、ひび割れが起きたりする可能性も否めません。
チョーキング現象は自然に治まることはなく、放置するとどんどん劣化が進んでいきます。激しい劣化を避けるためにも、チョーキング現象が起こっていたら塗り替えを検討しましょう
2.チョーキング現象が起こった場合の対策は?
チョーキング現象が起こっている場合は、放置せずに正しい対策をとらなければなりません。ここではチョーキング現象を確認するためのセルフチェック方法と、外壁の修復方法について解説します。
2-1.チョーキング現象の正しいセルフチェック方法
まずはチョーキング現象をふたつの方法でチェックしてみましょう。
【外壁を触った時に粉がつくかをチェック】
チョーキング現象が起きている外壁は、触った時に白い粉がつきます。太陽がよく当たる外壁を指でなぞってみて、白い粉がつくなら塗膜表面に劣化が起きていると判断できます。指に白い粉がつくだけでなく、外壁自体が退色していたり、粉状のものが飛んでいたりしたら著しく劣化が進んでいる証拠です。
モルタル外壁や窯業(ようぎょう)サイディング外壁などは、劣化した際にチョーキング現象が起こりやすい素材のため状態を把握しやすいですが、外壁の種類によってはチョーキングが起きないものもあります。また、塗膜表面の色によって、白い粉ではなく、茶色や黒色の粉がつく場合もあるので、判断しにくい場合は専門の業者に調べてもらいましょう。
【水に濡れた時の外壁の変色をチェック】
劣化した外壁は防水性が低下しているため、水に濡れた時に変色します。雨が降った後や、水をかけた際に変色が確認できたらチョーキングが起きているといえます。外壁の防水効果
がなくなってしまうと雨漏りが起こる原因にもなるので早めの対策をとりましょう。
2-2.チョーキングを起こした外壁を補修するには?
チョーキングが起きた外壁の補修は、高圧洗浄で粉を洗い流し、塗装の塗り替えを行うという手順を踏みます。それぞれの作業工程のポイントを見てみましょう。
【洗浄作業】
まずはチョーキングが起きている外壁を高圧洗浄で洗い流していきます。洗浄作業は簡単なように見えますが、丁寧に作業を行わないと塗料がつきにくくなったり、チョーキングを再び引き起こしやすくなったりするため注意が必要です。さらに、高圧洗浄の圧力調整を間違えた場合、外壁自体に負担をかけることもあります。白い粉が出ているからといって、自分で洗い流したり、ブラシでゴシゴシとこすって落とそうとしたりするのは避けましょう。
【下塗り】
高圧洗浄で粉を洗い流した後は、上塗り塗料を密着させるために「プライマー」や「シーラー」と呼ばれる下塗り剤を塗っていきます。外壁にひび割れなどのトラブルが起きている場合は、補修作業も行います。高圧洗浄での作業や下塗りを怠ると塗膜剥がれやチョーキングの原因になるため、外壁リフォームは下地処理をしっかりと行うことが重要です。
【上塗り】
下地処理が終わったら、上塗り塗料を塗っていきます。塗料にはシリコン塗料やウレタン塗料、チョーキングが起きにくいラジカル塗料などたくさんの種類があります。それぞれ耐用年数や性能が異なるため、外壁の種類や既存の塗装状態、雨が多い、日差しが強く当たるなど建物がさらされる環境を考慮して塗料を選ぶのがポイントです。
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